ベトナム社会主義共和国、第二の首都ホーチミン。
途には生ごみが溢れ、瓦礫が散乱し、バイクの排気ガスが辺りを満たしている。
逼る臭気に、顔を顰めながら歩く。
「こんな環境で、皆は幸せなのだろうか?」
と、思っていた。
しかし、やがて私は思い知ることになる。本当に「幸せなのだろうか?」と問うべき相手は自分自身だったことを。
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ベトナムにおける人々のくらしを客観視することにより、己の「幸せ」に対する価値観を問うための写真集。
ーそれは、戦争被害からの再生ではない。そもそも、破壊されていないのだから。