<写真展内容>
JR中野駅北口の北東側約1km四方の繁華街は、旧地名を打越町という。
この地域に足を運ぶようになったのは、私が20代半ば、約20年前だ。
「中野」と云えば、サブカルチャーの聖地、中央線の人気都市、また学生の街として知られるが、街を歩くともっと奥深くに根を張る「何か」があるのではないかと感じる。それが、20年の歳月を経ても尚、この街が私を惹きつけている理由なのかもしれない。
一方、中野区の平成22年3月資料「中野駅地区整備基本計画」、平成29年6月「中野駅周辺まちづくり概要図」によれば、旧打越町に隣接する地域の殆どが大規模再開発の対象となっており、またすでに計画が進行中である。
このような急速な変化の中、否が応でも影響を受けるであろう打越町地域。この街を歩く「ひと」や「街並み」が、未来に亘ってどのような表情を見せてくれるのか。それを追い続けたいという想いに駆られて、シャッターを切り続けている。
本写真展は、中野駅北口の旧打越町地域を中心に、2016年から2017年にかけて撮影したカラー写真38点(タイプCプリントによる)から構成される。
<喜多研一 略歴>
1974年東京都大田区生まれ。1996年帝京大学文学部史学科卒業。IT企業の会社員などを経て写真に出会う。カメラを手にしてから、今まで気付かなかった未知の世界が日常に存在することを実感。39歳で写真を生涯の仕事とする事を決意し、日本写真芸術専門学校の夜間部に入学、2015年卒業。表参道のギャラリー「スペース・ジング」にて初の写真展『枯れない街』を開催(2015年3月)。
今回の写真展では、機材や撮影手法、企画を一新し、続編となる『枯れない街 2016-2017』を発表する。
その他 香港のギャラリー「走馬灯」で開催されたグループ展『JAPAN』、日本写真芸術専門学校OB展『LIFE』などに出展。
企画 山崎弘義