これは映画に”まつわる”本だ。「まつわる」ということは「について」ではない。「渚にまつわるエトセトラ」が渚についての話だけではなく、メリケン波止場やさみしそうなペリカンも含めるように、そのものの周辺もひっくるめる。この本に印刷される言葉や写真達は映画との距離を長短しながら自分達が適度だと思える範囲を浮遊する。よしんば映画と一体になれるなんて思わない。フラッと近づいては遠ざかりながら、なんだか心地いいところを探してみる。さて、そんな夢みたいな地点があるのか、という問いこそが今回のManiecのテーマだ。